【日本茶ガイド】かぶせ茶とは?美しい翡翠色が特徴!

かぶせ茶について解説! お茶ガイド

緑色が濃いお茶、美しい翡翠色のお茶で旨み香り甘みがしっかりとした緑茶をお探しの方には、かぶせ茶がおすすめです。手間ひま掛かるため比較的高価なお茶になりますが、間違いなくおいしいです。

かぶせ茶とは

かぶせ茶とは覆いをかぶせて作られるお茶を意味します。覆いをかぶせる訳は、茶の木に日光をさえぎるカバーを掛けることで甘みよく出る茶葉を作ることができるからです。遮光することで、渋みのもととなるカテキンの生成を抑え、反対に甘みや旨みのもととなるテアニンが増加します。

玉露の作り方と煎茶の作り方の要素を合わせ持ったお茶とも言えます。玉露ほどには日光を遮らないので、煎茶らしい渋味苦味が残り、味に奥行きがあります。また露地園の煎茶よりは甘みや旨みがぎゅっと詰まっています。遮光の効果は味わいだけではなく、水色にも影響を与えます。遮光することで青みの強い水色が生まれます。深蒸し茶の青さとは異なり、茶葉の中の成分によって緑色が生まれるので粉っぽくないお茶になります。水色が美しい高級煎茶はかぶせ茶であることが多いです。

かぶせ茶のおいしい淹れ方

かぶせ茶は基本的うまみの強いお茶なので低めの温度のお湯でじっくり浸出するのがおすすめです。

分量の目安1人前

  • 茶葉 2.5〜3g
  • お湯80〜120ml
  • 浸出時間 1〜2分

お湯は沸騰したてのものを使うのではなく、一度湯ざましの器に入れて冷ますか、湯飲み茶碗に一度入れて冷ましてから使います。直接急須に入れるのではなく、他の器に一度入れることで10度ほど湯の温度が下がります。少し冷め70度〜80度ほどの湯で入れると苦味や渋みが抑えられます。
かぶせ茶の入れ方の目安であり、茶葉の種類や振る舞う人数、お好みで調節してください。おいしいお茶ほど少量の茶葉でも十分に滋味が出ます。

かぶせ茶の急須と茶碗

  • 250〜300mlほどの小ぶりの急須
  • 小ぶりの茶碗

玉露と上級煎茶の特徴を合わせ持つかぶせ茶は、小さめの湯呑み茶碗で少しずつ飲む方がおいしさをより強く感じます。もともと日本茶用の湯呑み茶碗は紅茶用のティーカップに比べて少量しか入りませんが、その中でもより小ぶりのものを使った方が良いです。マグカップに注ぐ際でも、量を少なめに淹れるのをおすすめします。

かぶせ茶についてもっと詳しく

かぶせ茶は、成長中の葉に覆いをかけることで直射日光を遮ります。日光が当たらなくなることで、甘みのもととなるテアニンが豊富に作られます。渋みが抑えられ甘みがよく出て、こくのある味わいになります。

かつては藁や菰で直接掛けていましたが、現在では寒冷紗と呼ばれる繊維が使われています。抹茶のもとの碾茶の栽培方法として覆いを掛ける方法が発明されました。その後煎茶の栽培にも遮光する利点が活かされ、かぶせ茶や玉露が生まれました。

玉露との違い

同じく日光を遮って作られる玉露とかぶせ茶との違いは何かというと覆い掛けの期間と遮光率です。かぶせ茶は、収穫の1週間から10日前に覆いを掛けます。玉露は2週間ほど被せることもあります。かぶせ茶の遮光率は50%ほどで、玉露ほど強く日光を遮りません。(玉露の遮光率は80%から90%です。)茶葉を摘採する際には晴れていないといけないので、覆いを掛けるタイミングには気を使います。一般的な煎茶に比べて製造の手間が掛かる分だけお値段も上がります。

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