日本茶は産地や品種、茶種、さらには農園によって味わいが異なります。煎茶、深蒸し茶、玉露といった茶種ごとに分けておいしい日本茶を選ぶ際の参考になる目安をそれぞれ書きました。詳しい知識は無いけれど、ざっくりと茶種を知ってとにかく美味しいお茶を飲みたいという方もこれさえ読めばと大丈夫。
煎茶
日本茶といえば1番日常的に飲まれるのが煎茶と呼ばれる茶種です。茶葉を湯に浸し、濾して作ります。澄んだ美しい水色は山吹色や黄金色、翡翠色と喩えられます。
茶葉の形・色
- 細く固くよれているもの
- 形が揃っているもの
- 重量感のあるもの
- つややかで鮮やかな濃緑色なもの
味わい
- さわやかな火入れ香があるもの
- フレッシュな若葉の香りがあるもの
- 甘みと渋みのバランスの良いもの
- 後味がさわやかなもの
深蒸し茶
青々とした緑色が特徴なのが深蒸し茶と言われる茶種です。煎茶よりも茶を製造する過程での蒸し時間が長いものです。お手頃な価格のものが多く、濃い緑色の水色が得られることで人気です。
茶葉の形・色
- 葉の切れや粉の少ないもの
- 黄緑色がはっきり冴えたもの
味わい
- 苦み、渋みが強すぎないもの
- うまみ甘みがあるもの
かぶせ茶
煎茶と玉露のいいとこ取りをしたお茶がかぶせ茶です。茶葉栽培の最後に茶の木に覆いを掛けて日光を遮って作られます。テアニンが豊富で煎茶よりも甘みが強く、玉露よりもはっきりとした味わいです。
茶葉の形・色
- 細くよれているもの
- 形が揃っているもの
- 黒ずんだ箇所が少なく、色が鮮やかなもの
- 茎や粉の混入がないもの
玉露
甘みを増すために覆いを掛けて作られたものを玉露と言います。60度程のぬる目のお湯で抽出します。手間ひま掛かるので高価になります。海外の方からなかなか人気がある茶種です。
茶葉の形・色
- 鮮やかではっきりとした緑色のもの
- 細くよれているもの
味わい
- 玉露特有の覆い香があるもの
- まろやかな甘みがあるもの
抹茶
粉末の緑茶=抹茶という訳ではなく、抹茶は他の茶葉とかなり異なる製法で作られます。泡立てることで空気が含まれ、茶の味をまろやかにふくよかに感じます。
色
- 色は冴えはっきりしたうぐいす色
- 甘みは鮮やかな緑色のものに
- 渋みは暗緑色のものに
黄ばんだ色の抹茶は、品質が落ちた証拠です。黄色っぽいのは鮮度が落ちているので注意です。
茎茶
茎の部分だけを取り分けて飲むのは日本茶特有の文化です。とりわけ上級煎茶や玉露の茎茶は区別され雁音や白折とよばれます。紅茶では茎が入ることで雑味が混ざるとされ、取り除かれます。
茶葉の形・色
- つややかな濃緑色
- 黒ずんでいないもの
- 太いものや赤茶けた箇所の混ざっていないもの
味わい
- 茎茶らしい香りがあるもの
- すっきりとした甘みがあるもの
芽茶・粉茶
煎茶や玉露で弾かれた細かなお茶です。葉自体は細かいものですが、見た目では煎茶や玉露を選ぶ際の基準に準じます。
細かい分濃く早く茶の成分が溶け出します。
玉緑茶
茶葉の形・色
- 固くしまり、丸くよれているもの
- 適度に曲がっているもの
- 重量感のあるもの
- 黄緑色
味わい
- 釜香とよばれる特有のさわやかな香りがあるもの